ヤン・シュバンクマイエル作品。最近、割とよくやってるような気がするパペットアニメの一つ。
(ほとんど実写)
「チェブラーシカ」は見てないけどとても人気みたい。
確かにすすけた感じは、愛らしいと私も思う。
で、対して何やしら気持ちワルっ!と下腹部がモゾモゾしちゃう彼の作品。
彼の作品は今まで短編・長編を見てきた。前に日記に書いたけど触感を
大切にしてる人だなぁ、という印象。
しかしこの作品はそういう意味では物足りない。ヌラヌラ・ムニュムニュ・ザワザワ
と擬音以外に形容できないんだけどそういう感触は少な目。
もう一つ。何というのかわからないけどコマを少しずつ、ホントに少しずつ
動かして出す滑稽な感じも少な目。
ストーリー部でポピュラリティがあり、「とうとう彼も観客に迎合したか」などと
騒がれそうな作風。(実際、チェコのワーナー・ブラザーズを
配給会社に置いてることでも意外だと言われているようだけど)
でも面白かったので私はアリって思うのだけど。
「オテサーネク」というチェコの寓話を下敷きに現代風にアレンジしたもの。
「ピノキオ」のように木に愛着を込めたばかりに人格を持った木。
何故、木だったのかというと双方揃って不妊症という夫婦という診断を
下され、嘆いた夫人の為に人間によく似た木を赤ちゃんに見立てて
育てていくという。
しかしそれが何を象徴しているのかは私にはよくわからなかった。
映画や小説、音楽などはその本質もさることながら、
制作者の意図はさておき個々がイロイロな解釈(余計だと思うけど)をつけて、
楽しむ面があるんだろうけどこの「オテサーネク」が象徴するものを
そのインタビューでヤン自身がちゃっかり話しているようなことは、
それを読んだ後でも全然、わからない。
別にチェコと日本の風俗が違うからだ、というワケではない。
そういう意味からするとヤンの思惑は日本などかなり文明が
先進している国にこそわかる映画だったようだけど。
おそらく私自身がそのことに対して問題視していないことなのかとも思う
けれど他の人の感想を聞いてみたい。

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